私の母は58歳で他界しました。
胃癌でした。
当時母は現役の生命保険会社の職員でした。
自宅でミシンの内職をしていた母は誘われて、私が幼少の頃に生保レディになりました。
苦労もあったと思いますが家族には愚痴ひとつ言わず、勤続20年を迎えた矢先に癌が発覚しました。
手術で胃を全摘出しましたが、1年後に全身に転移していることが分かった時にはもう手の施しようがない状態でした。
死を覚悟した母は、私に身辺整理を頼んできました。
金融機関の整理、書類の整理、そして「形見に何が欲しい?買ってあげるから言ってちょうだい」と・・・
私が母の立場だったら、同じことが出来るだろうか・・・ と胸が苦しくなりました。
58歳という若さで自分の死と向き合い、最後までキッチリやり遂げた母は強いと思いました。
そして、亡くなる1週間前のこと・・・
「髪がボサボサでかっこ悪いから美容院に行きたい」と言いました。
私は病院に外出許可を取り、体力が低下して歩けない母を車椅子に乗せ、車で母が行きつけの美容院に行きました。
会話をするのもしんどそうでほとんど喋りませんでしたが、車窓から木蓮の花を見つけ「きれいだね」と一言いいました。
ファイナンシャル・ソムリエのロゴマークの花は、その木蓮をイメージしてデザインしました。
この世に誕生し最期を迎えるまで、輝いた人生を送りたい
予期せず最期が急にきてしまうこともあるから、悔いの無いように毎日を過ごしたい
いつでも身の回りをキレイに整理して、万が一に備えておきたい
母から多くのことを学びました。
それは、私の生き方やライフワークに活かされています。